会場に入った瞬間、作品群は異様に輝いて見えた。近くでジ-と眺めると点と線の集合で仕上がっている。 作家が在廊だったので、いきなり、これは修業ですね、という言葉を発したら、そうです、という答えが返ってきた。 まさに一点一点ゲルインクペンで描かれている。ひたすら無心に闇を表す黒い紙に点を打つ。優しそうな女流作家が もくもくと点を打つ様は、まさに修業におもえた。曼荼羅は宇宙そのもの、ミクロからマクロを通して宇宙の神秘を 垣間見ようとする制作のようにおもえた。曼荼羅だからパタ-ンが同じになりかねないが、そこからその人独自の 曼荼羅が出来た時は、さらに面白い世界がと楽しみな展観であった。