アトリエ訪問第6回 田谷 行平氏

プロフィール
新協展 文部大臣賞受賞・新協大賞ほか5回受賞
安井賞展7回入選
第1回ヒロシマアートグラント’83受賞
緞帳制作 (厳島)安芸グランドホテル
壁画制作 (川のほとりで)広島市西区民センター
テーマ=ヒロシマ50委託制作「AGAPE’96-2」
(広島現代美術館)
現在 孤群・みのん主宰

  戸を開けるとそこに日常を超えた “絵描きの世界”がある。田谷氏は原爆で家を吹き飛ばされても、家族と共に蘇り、場所を変えても広島の白島に在り続ける。

  ここで2次元から3次元にわたる「瓶の中の世界」 「瀧」「人生ゲームする人物」、「白い空間の世界」から「無限の青の世界」へと自分が納得する “基準” を求めてひたすら絵を描き続けている。

  共に高校時代を過ごした私にとって、次元を超えた今の彼は驚異である。アトリエには彼の絵描き人生が詰まっている。そこで週に数日絵を教え、さらに中国新聞文化センターに出向いている。昔、紙屋町の交差点にあった日立文化教室からYMCAを経てこれまでの数十年にわたり1万人近い広島人に絵を教えて来たそうだが、それだけ多くの人
から逆に刺激を受け、絵の心や人の心、また美術史に残る画家達の技法を学んで来たようだ。

  ひろしまインターネット美術館を立ち上げるとき、真っ先に彼に相談を持ちかけたところ、 三原理事長をはじめ数多くの作家のご尽力を受けられることになり、今や 1,000 作品を越えるギャラリーに育っている。彼は故福井芳郎画伯から託された新協美術の隆盛に懸命になっているが、今も縁の下の力持ちになってインターネット美術館を支えてくれている。

<文・馬場宏二/写真・原敏昭>

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取材中の風景