アトリエ訪問第8回 横田 良作氏

プロフィール
1961年 武蔵野美術大学日本画科卒業
1985年 広島県美展無鑑査、審査員
1994年 広島文化賞フェステ展出品
1999年 広島の70人展出品
2001年 八千代の丘美術館(第1期、入館)
2002年 広島の絵画110人展出品(福屋)
2004年 広島三越にて個展(第6回)
現在 無所属
・日本画互の会、茜会、福山・碧会主宰
・広島県日本画協会会長
・中国新聞文化センター講師
・日本美術家連盟会員

  横田先生に初めてお目にかかった最初のサプライズは、気さくでお年を感じさせない若さだった。50代にしか見えないのは管理社会の垢に塗れずひたすら美を追い求められている為かなと勝手に失礼なことを思いながらアトリエへ。次なるサプライズは壁面に並べられた1千を超える岩絵の具の壜や桐の箱。中は孔雀石や藍銅鉱から作られた群青、プラチナの色、煤(すす)で作られたダイヤモンドブラック、水晶の粉や牡蠣の殻、砂漠の砂、そして金箔等など。これらの天然絵の具を水膠(にかわ)で沢山の皿に溶き、連筆など様々な物珍しい筆で和紙に貼り付けていく描法を実際に見せていただき、洋画にない透明感や色の深み・階調、これまで美術館や床の間で出会った掛軸や、屏風、水墨画では知りえなかった横田流日本画技法の素晴らしさを初めて目の当たりにした。こういう機会を与えていただいた先生と原氏に感謝の念多々。

  制作中の絵は信州の風景画であったが、これまで北海道、信州、佐渡、隠岐、九重を旅され、名も無き風景に自然の厳しさ、畏敬の念を感じ筆を運んいらっしゃるとのこと。東京での25年を経て、このアトリエを築かれ製作の傍ら中国新聞文化センター・福山市民交流館やピカソ塾で多くの人々に日本画の素晴らしさを教えて25年、今や広島の日本画壇の要(かなめ)になられている。

  最近携帯電話でメールが娘さんとやり取りできるようになったと、ほのぼの父さんの側面も見せていただきながらお別れしたが、パソコンの方はお見送りいただいたお似合いの奥方にぜひ触れていただき、このインターネット美術館を訪れていただきたいもの。
当事務局でもやさしいレッスンをお引き受けしておりますから・・・。

<文・馬場宏二/写真・原敏昭>

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取材中の風景