アトリエ訪問第2回 村上 俄山氏

先生は読める書ということを基本として制作活動をされている。そのためには、書風はもちろんであるが紙にも工夫をしておられる。

  例えば「かな」を主としておられるので色、柄の紙を多用されている。特に風雅な平安調の布目入れ等は、自ら加工もされている。

  書は、芸術としては床の間に架ける軸や屏風から広まり、だんだんと大字が多く表現されるようになってきたが、先生としては、やはり雅の世界は日本古来の「かな」だと思っておられるようです。

  今年(2005年)開催された、愛知万博で、日本の代表の中に選ばれたお一人となられたがやはり出品作品はいろ紙に読める書「かな」の小品を7点並べ、その色合いとか配置にまで気配りをさせて観覧者を惹きつけたとか・・・。
  アトリエといえば、絵画の場合は大きなカンバスに向かうので天井の高さが特徴ですが、書の場合は扱う物が書籍や用紙が、紙なのでかなりの重量となるため床に工夫が必要となってくる。

  生まれ故郷の福山のご自宅がアトリエのときは、生家が米穀店で梁や柱が太くて好都合でしたが今度のお住まいはマンションでさらに強くされている。

  筆、硯、墨、紙、書籍とも数をすることは出来ません。文鎮や筆立てにも様々な名のある人達の作品であるが常用されて作品のイメージを上げている。

  創作活動中、お気に入りの作品が出来るときは、音楽をよく聴かれるそうだ。その音楽とはクラッシクとかではなく、皆さんとコミュニケーションが取れるようにとカラオケ練習曲であるとか。 特によく聴かれるのは、水戸の黄門様でお馴染みの里見幸太郎の曲とか、デュエット曲が多いそうです。

  また歌も書に通じるところがあって歌詞の漢字の部分は強く、かなのとこりはやさしくとメリハリのある表現が必要ということです。
  まだまだ、話は続くのですが奥の深いところもありますので、文房四宝については次の機会にもっと教えてもらいます。

<写真・原/文・梶川>

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取材中の風景