絵を描く人生、かぎりなく夢馳せて、おどろきとよろこびの織りなす
すばらしい時間で埋めつくしたいと思います。
プロフィール
1965 岡崎勇次画伯に師事
1970 光風会展初入選
1982 グランショミエール研修・5回
1987 日展初入選
現在 光風会会員・日展会友
防予汽船カルチャー椿倶楽部講師・
NHK広島文化センター講師
中国新聞情報文化センター(アルパーク教室)講師
スポーツタイプのベンツで切れのいい運転をしている女性ドライバーを見かけたらおそらくそれは平先生だろう。お忙しい合間に時間をとっていただき、ご夫婦で我々を待ち受けていただいた。活動的で仲のよいお二人。海外旅行にご一緒するだけでなくピカピカのハーレーのザイドカーでともに全国を走破、我々が訪れた翌週にはなんと鹿児島まで行かれるということなので恐れ入った。
お宅はセルリアンブルーのストライブが入った真っ白い家。沢山の雀が遊びに来るバルコニーがお気に入りのようだ。モダンな建物から想像できない1階の見事な和風庭園。アトリエには3台のパソコンモニター。それらを駆使されるご主人。そして幾度も訪れ、題材になっているギリシャのサントリーニ島やミコノス島の町並みの絵画すべてが我々の持つ日常を超えていた。
長年の思い出が詰まった旅行の写真を見せていただきながら明るく元気な声でエーゲ海に面する島々の人やお国柄についてお話いただいた。4月18日から国立新美術館で開催される光風会展出品のために製作中の大作を拝見して、建物の見方や光線の工夫、人物、愛犬(ロッキー)を登場させるドラマ仕立てに驚きを覚える。絵画とはイマジネーションで如何様にも新しい世界を創り出せるのだろうか。そのイマジネーションが芸術家の真骨頂なのだろう。お話の合間にさりげなく気配りをしていただくなかで、珈琲の味とエーゲ海の青さが強く印象に残った。
<文・馬場宏二/写真・原敏昭>