先生が日ごろ創作活動をされる部屋が隣にあります。 暖簾を分けてその部屋に入ると3台の轆轤や色々な道具が保管されていました。早速轆轤の実演をしていただきました。使用する土は大道地方から出土するもので萩焼きにも使われるもので、床下から出されてきたのには意外でした。最初は荒もみ、土が均一になるようしっかりと捏ねます。大作になると3倍、4倍のボリュームになり相当の力が必要です。その次に仕上げ (捻子)もみ、中の空気を追い出し、土を緊密に します。50から100回もみますが慣れないと 空気が入ってしまいます。 土もみ3年、轆轤10年といわれるほどです。
轆轤を回しながら先生の両手、指先が微妙に動いて いきます。しばらくすると形が出来上がってきました。手の感覚だけで作品が形を整えてくる様子を見ていると轆轤10年の意味が理解できそうです。
最後にこれから取り組んでみたい方にアドバイスを まず自分に合う美のセンスを勉強していくことが重要。 現在は材料、道具を含め、簡便に利用できる時代に なっているので、芸術を我々の生活に中に生かしてください。自分の求めていくことに一生懸命になれば 自然と道は開けると思います。
<写真・原/文・森本>