アトリエ訪問第25回 白井 史朗氏

プロフィール

1933年 広島に生まれる
1956年 広島県美展初入選・(以後毎回入選)
1967年 二科展初入選・(以後毎回入選’77年特選受賞)
1980年~ 広島県美展審査員/広島県洋画部会事務局長
1990年 広島国際文化芸術研究会会長就任。
これより文化芸術を通してドイツ・韓国・英国、アルゼンチン・アメリカ・ギリシャなど
世界各国の美術家や美術関係者と交流を深め美術展の共催など実施している。
現在、広島国際文化芸術研究会会長、広島平和美術協会運営委員、
ひろしま絵画グループ主宰、YMCAアートスクール・中国新聞文化教室
古市公民館はがき絵講師

  9月とはいえ例年になく暑い日差しの中、いつもの取材班・撮影班5人が大挙して白井氏のアトリエに押しかけたため、出迎えられた白井ご夫婦を大そう驚かしてご迷惑をおかけしてしまった。ご夫妻は1ヶ月間のギリシャから帰国されたばかりで、まだ旅の荷物も整理されていない時にもかかわらず、向こうでの様々な人との巡り合いや、国内外における絵画活動を愉快にお話いただき時間の経過を忘れてしまうほどだった。

  ギリシャではヒオスにある王家の末裔のお宅にホームステイされたそうで、そのお礼に日本とギリシャの友好関係をシンボライズした壁画を残され、現地では新聞報道などにより評判になっている。小生より10才近く年上であるにもかかわらず英語でリレーションできる強みをお持ちなのが素晴らしいのだが、エーゲ海で水浴をしながらスケッチや壁画を描続けられた体力と、さらには持ち前の話術と社交性によって世界各国に多数の友人をお持ちなのもうなずける。

  白井先生の絵画活動は大企業において技術者であった時代から目覚しく、広島の美術界において指導的役割を果たされている。特に世界平和を希求する平和美術展では事務局として大いに力量を発揮され、現在の広島国際芸術研究会の代表職に繋げられている。

  残念ではあったが、興味が尽きないお話を途中で切り上げていただき全員屋上のアトリエに移動して、今度は明るいアトリエの入り口にあった先生の作品を拝見しながら、先生のレクチャーを受ける。燃えるバラの色使い、入る線と出る線の繋がり、空間の処理法、緻密な背景、画面を超えた広がりをいかに表現するかなどなど短い時間のなかで分かりやすくご説明いただいた。先生は未だ自由奔放に新しい表現を模索されているようだ。その後撮影班は汗にまみれながら先生の大作を超高画質デジタルカメラに収め役割を終えた。

<文・馬場宏二/写真・原敏昭>

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取材中の風景